


カンボジアの投資環境


Ⅰカンボジアの概要

概要
カンボジア王国はインドシナ半島の東南部に位置し、面積18万平方キロメートル、人口約1,340万人を有する立憲君主制国家。1949年にフランスから独立。ベトナム戦争以降は内戦状態が長く続きましたが、1992年3月からは国連カンボジア暫定統治機構による統治が始まり、混乱は収束しました。1993年には国連監視の下で民主選挙が実施され、同年9月には新憲法が発布され、国王を元首とする立憲君主制国家となっています。
経済成長率
カンボジアのGDP成長率は、世界経済危機の影響を受けた2009年を除いて、安定的に6%程度の水準を保っており、今後も持続的な成長が見込まれています。
カンボジアのGDP成長率(対前年比)
カンボジアのGDP成長率(対前年比)
- 2008年:
- 6.7%
- 2009年:
- △2.0%
- 2010年:
- 6.0%

Ⅱ会社設立

外国企業が取り得るビジネス形態
- ①有限責任会社
- 株主数2~30名で株式の譲渡制限がある私的有限責任会社と会社法により株式の一般公開を認められた公開有限責任会社の2つの形態があります。
- ②パートナーシップ
- 登記され法人格を得たパートナーシップは、動産・不動産の所有や取引・契約を行う権利を有します。なお、各パートナーは、パートナーシップから生じる利益・損失を分配し、共同または個別に債務を負担することとなります。
- ③支店・駐在員事務所の設立
- 会社法に基づいて、支店・駐在員事務所を設立する形態。
優遇措置
QIP(Qualified Investment Project)の認定を受けた投資プロジェクトは、法人税の免税ないしは特別償却の適用を選択できます。また、経済特区内に設立された会社については、税制面での優遇措置の他、特区におけるすべての収益を国外の銀行へ送金できる権利があります。
規制業種
基本的に、外国からの投資に限って制限を加えている業種はありません。
資本金に関する規制
会社法に規定された最低資本金は4百万リエル(約1,000米ドル)です。

Ⅲ税制

- ①法人税
- カンボジアで設立された法人に課される法人税率は、20%です。 ※天然資源の開発業種などは、上記以外の税率が適用されます。
- ②ミニマム税
- 年間売上の1%が課税されます。但し、法人所得税が年間売上の1%を超えた場合には、法人所得税のみを支払うことになります。
- ③給与税
-
カンボジアにおける給与税の税率は5段階に分かれています。
- 0リエル~500,000リエル:
- 免除
- 500,001リエル~1,250,000リエル:
- 5%
- 1,250,001リエル~8,500,000リエル:
- 10%
- 8,500,001リエル~12,500,000リエル:
- 15%
- 12,500,000リエル超:
- 20%
- ④付加価値税(VAT)
- カンボジアにおける付加価値税(VAT)の税率は10%です。VATの申告は、翌月20日までに月次で行わなければなりません。

Ⅳ貿易

2010年度の輸出額は39億米ドル、輸入額は54億米ドルであり、カンボジアの貿易収支は慢性的に赤字となっています。
輸出額の80%以上は縫製品によって占められており、それ以外では、履物、金、ゴムなどが僅かにある程度です。主な輸出相手国・地域は、香港、米国、シンガポール、カナダ、英国などで、これら5ヶ国への輸出が全体の8割以上を占めています。
また、主な輸入品目は、織物、石油製品、車両などです。主な輸入相手国・地域は、中国、ベトナム、香港、タイ、台湾などで、アジア諸国が上位を占めています。