


バングラディシュの投資環境


Ⅰバングラディシュの概要

概要
バングラディシュ人民共和国はインドの東側に位置し、面積14万平方キロメートル、人口約1億4千万人を有する共和制国家。1971年12月にパキスタンから独立後、十数年に亘って軍事政権が続きましたが、1991年の憲法改正で議員内閣制へ移行しました。現ハシナ・アワミ連盟政権は、2021年までに中所得国になることを目標とする「ビジョン2021」政策を掲げて経済開発等に取り組んでおり、今後の発展が期待されています。
インフラ整備
高速道路、幹線道路から工業団地へ向かう道路などの整備が進んでおらず、空港、港湾および鉄道網などと併せた物流インフラの改善は、今後のバングラディシュの発展にとって欠かせません。また、電力やガスの供給が不足しており、自家発電を余儀なくされることが生産コストを押し上げる一因にもなっています。但し、いずれも改善されつつあり、これらインフラの整備が経済成長を後押ししていくものと思われます。
経済成長率
バングラディシュのGDP成長率は、好調な縫製品の海外輸出などに支えられて、安定的に6%程度の水準を保っており、今後も持続的な成長が見込まれています。
バングラディシュのGDP成長率(対前年比)
バングラディシュのGDP成長率(対前年比)
- 2008年:
- 5.7%
- 2009年:
- 6.1%
- 2010年:
- 6.7%
物価上昇率
バングラディシュの物価上昇率は、年による大きな変動もなく、年率7~8%の範囲で落ち着いた動きをしています。
バングラディシュの消費者物価指数(対前年比)
バングラディシュの消費者物価指数(対前年比)
- 2008年:
- 6.7%
- 2009年:
- 7.3%
- 2010年:
- 8.8%

Ⅱ会社設立

外国企業が取り得るビジネス形態
- ①100%外国資本による企業設立
- 外国企業が全額出資して会社を設立する形態。但し、業種によっては、出資比率についての規制があります。
- ②現地資本との合弁による企業設立
- バングラディシュ企業または個人との合弁により会社を設立する形態。
- ③連絡事務所・支店・駐在員事務所の設立
- バングラディシュ投資庁(BOI)に申請して、連絡事務所・支店・駐在員事務所を設立する形態。
優遇措置
①一般区: 農産品加工業、繊維・縫製業、皮革製品製造業などの業種について、5~7年間の法人税減税期間の設定があります。また、輸出指向型企業が機械設備を輸入する場合に、関税の減免措置があります。
②輸出加工区(EPZ): 10年間の法人税免除期間があります。また、原材料、設備機器の輸入時に、輸入税が免除されます。
②輸出加工区(EPZ): 10年間の法人税免除期間があります。また、原材料、設備機器の輸入時に、輸入税が免除されます。
規制業種
- 禁止業種:
- 軍需産業、原子力産業など
- 規制業種:
-
金融業、エネルギー産業、通信産業、海運業など
規制業種への参入に関しては、政府による事業認可を得る必要があります。
資本金に関する規制
金融業以外の業種については、原則、最低資本金の規制はありません。

Ⅲ税制

- ①法人税
-
バングラディシュで設立された法人に関する法人税の税率は次の通りです。
・株式非公開企業- 適用税率:
- 37.5%
- 適用税率:
- 27.5%
- ②個人所得税
-
バングラディシュにおける個人所得税の税率は、年収により5段階に分かれています。
- 16万5千タカ未満:
- 免除
- 27万5千タカ未満:
- 10%
- 32万5千タカ未満:
- 15%
- 37万5千タカ未満:
- 20%
- 37万5千タカ以上:
- 25%
- ③付加価値税(VAT)
- バングラディシュにおける付加価値税(VAT)の税率は、15%です。

Ⅳ貿易

2010年度の輸出額は22,924百万ドル、輸入額は33,657百万ドルであり、バングラディシュの貿易収支は慢性的に赤字となっています。
輸出額の約80%は縫製品によって占められており、それ以外では、ジュート、魚介類、革製品などが僅かにある程度です。輸出相手国としては、米国、ドイツ、英国、フランス、オランダなど欧米諸国が上位を占めています。
また、主な輸入品目は、繊維、石油製品、鉄鋼製品、機械機器などです。輸入相手国としては、中国、インド、シンガポール、マレーシア、日本、韓国などアジア諸国が上位を占めています。
輸出額の約80%は縫製品によって占められており、それ以外では、ジュート、魚介類、革製品などが僅かにある程度です。輸出相手国としては、米国、ドイツ、英国、フランス、オランダなど欧米諸国が上位を占めています。
また、主な輸入品目は、繊維、石油製品、鉄鋼製品、機械機器などです。輸入相手国としては、中国、インド、シンガポール、マレーシア、日本、韓国などアジア諸国が上位を占めています。